千葉研究室|東北大学未来科学技術共同研究センター

研究

研究概要

本プロジェクトでは、金属粉末材料技術、粉末溶融凝固 および粉末焼結プロセスの基礎学理の確立、超急速凝固現象と新規材料開発、造形プロセス開発、及び新規な金属積層造形装置開発に関わる以下5項目を推進していきます。

  • 1.月面で可能な金属積層造形技術
  • 2.高機能PREP金属粉末製造技術
  • 3.TRAFAM「積層造形部品開発の効率化のための基盤技術開発」事業推進
  • 4.金属積層造形による世界初のマルチマテリアル製造および新規装置開発
  • 5.ハイブリッド熱源金属積層造形装置開発と新合金(超高強度)材料の開発

研究の特色

月面にてロボットが自己造形可能な金属積層造形技術を開発します。最終的には、月の表土であるレゴリスを用いたロボット構造部材の金属積層造形技術の実用化を目指します。月面の低重力・真空下において、十分な強度の部材を造形する手法を開発し、自己修復・再生可能なロボットの実現を目指します。
他にも、世界に先駆けて、プラズマ回転電極法(Plasma Rotating Electrode Process; PREP)の高機能化を行うため、新規装置開発を実施し高機能PREP粉末の量産化技術開発を行い、そのための装置開発を推進します。
世界に先駆けた高精度なマルチマテリアル積層造形技術を確立します。また、世界初となるハイブリッド熱源金属積層造形装置開発を推進します。

期待される成果・展開先

将来的な月面環境利用のニーズに対応する金属積層造形技術開発の世界的な先導研究となるものと期待できます。また月面環境での、高真空、低重力下においても機能する金属積層造形技術は、地上においても利用可能な新規な高付加価値を生み出す金属積層造形技術としても応用可能であり、金属積層造形技術の高度発展にも大きく貢献するものと期待できます。
各種の金属積層造形技術において現れる、金属粉体の溶融凝固挙動が体系的に明らかとなることが期待できます。また、金属積層造形技術の基本となる高品質金属粉末の新規な製造技術開発に関する研究開発の推進により、実用上の問題となっている金属粉末の低コスト化にも飛躍的な技術的発展をもたらすものと期待できる。
本プロジェクトは、金属積層造形技術の総合的な研究開発であり、金属積層造形技術を基本とする未来のデジタル製造業を実現する上で重要な要素技術研究開発を推進するものです。
本プロジェクトの個々の研究成果を有機的に連携・統合させることにより、世界の金属3Dプリンティング・積層造形技術研究の一大研究拠点に相応しい研究プロジェクトとなります。

電子ビームによる金属粉末の溶融池形成 計算熱流体解析によるメルトプール形成挙動
電子ビームによる金属粉末の溶融池形成(上)と
計算熱流体解析によるメルトプール形成挙動(下)